第45章

神崎聖子はきっぱりと言った。

「紬、帰るわよ」

紬は「幽霊」と聞いても、まったく怖がらなかった。

幽霊、いいじゃん。師匠、幽霊がいちばん好きだし。

蒼海がふわりと前へ流れていくのを見て、紬はぱっと駆け出して追いかける。振り返りもせず、元気いっぱいに叫んだ。

「おばあちゃん、いい子で待ってて! 紬、すぐ戻るから!」

神崎聖子は顔色を変えた。

「紬!」

慌てて追いかけながら、スマホを取り出して神崎雅志に電話をかける。

森の端を越えた瞬間、空気がすとんと落ちたみたいに暗くなった。

さっきまで前を走っていたはずの紬が、瞬きをした一瞬で見えなくなる。

がらんとした森の中、いるのは...

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